ステイヤーズS
中山競馬場の内回りコースを2周するというマラソンレース・ステイヤーズS。今年の出走馬は、Jpn2の別定戦だというのに重賞を勝っているのがネヴァブションとトウカイトリックだけという、なんともさみしいメンバー構成になってしまったが、そんなレースを勝ったのは12番人気のメジロブライト産駒・マキハタサイボーグだった。
~レースは~
スタートするとワンダースティーヴとアドマイヤグローリがハナを主張。これにショートローブスこれにリキアイサイレンスやチェストウイングが続き、先行集団を形成。そして人気のトウカイトリック、ネヴァブション、後方からエイシンダードマン、メジロトンキニーズという展開。マキハタサイボーグは人気馬ネヴァブションとトウカイトリックを見るような位置、中団後方で競馬を進める。「芝の状態の良い開幕週」と「スローになりやすい長距離レース」ということで、「とりあえず前で競馬をしたい」という心理が先頭をコロコロ変らせたが、本格的にレースが動いたのは2週目の向こう正面。人気のトウカイトリックとネヴァブションが仕掛けるのを見てマキハタサイボーグもこれについていくと、3コーナー過ぎでは抜群の手ごたえでこの2頭を外から豪快に捲って一気に先頭へ。
このような超ロングスパートだと普段なら直線に入って失速するのだが、マキハタサイボーグの勢いのついた脚は直線に入っても衰える事はなく、坂に入っても変わらず先頭。坂を登りきったところでは、逆に内から必死に食い下がるネヴァブションをもう一度突き放すという内容の濃さで、重賞の壁を突破。嬉しい重賞初制覇となった。
~優勝したマキハタサイボーグは~
マキハタサイボーグの父は天皇賞・春を制覇したメジロブライト。メジロブライトはクラシックで人気になるも、追い込み一辺倒という脚質から結果を残すことができなかったが、このステイヤーズSで捲り戦法に転換し、その素質を一気に開花させ天皇賞馬まで上り詰めた。今回のマキハタサイボーグも父が素質を開花させたステイヤーズSにてロングスパートからの豪快な捲りを打って優勝した。父ほどの圧倒的な威圧感こそなかったものの、3コーナーから4コーナーでの捲り方やスピードはネヴァブションやトウカイトリックを圧倒しており、その血を継いでいることを思い出させる勝利だったと言える。ただ、これが本来の力なのか、はたまた偶々なのか、距離が合っていたからなのかはまだ不明。たとえこれが本来の力であり、このまま重賞で勝ち負けできるの存在になったとしても、切れる脚はないので、ほかの競馬場よりも中山、また良馬場よりも重馬場、夏場よりも冬場というタイプだろう。
~2着だったネヴァブションは~
人気だったネヴァブションは、ここ2走はスタートで後手を踏んで流れに乗れずに惨敗が続いていたが、今回はスタートも決まってレースの流れに乗ることができた。このため、3コーナー過ぎからのロングスパートも決まり、あとは先に抜け出したマキハタサイボーグを交わすのみ・・・というところまで持ち込んだものの、直線半ばで脚色が同じになり、坂上で逆に突き放されて2着。オールカマーやアルゼンチン共和国杯から考えれば、ようやく結果を出しというところも、メンバーが弱かった事や得意の中山で自分の形に持ち込みながらも勝てなかったことを考えると、まだ、絶好調と言える状態ではないのだろう。気合いを表に出すタイプではないが、パドックでは珍しく2人引き。しかし、それほど気合いが乗っていたという感じではなく、叩かれながらもまだ良化の余地を残しているところに希望が持てる。
~4着だったトウカイトリックは~
昨年の2着馬で、断然の1人気に支持されたトウカイトリックは直線で伸びきれずの4着。パドックではただ一頭チャカチャカしたしぐさが目立ち、ゼッケンの下から流れる汗が擦れて白く泡立っていたのが印象的だった。これが直接4着という着順に影響したかは分からないものの、休み明け初戦となった前走のアルゼンチン共和国杯よりもテンションが高かったのは確かで、これが少なからず影響した可能性はある。また、昨年はアイポッパーという本命馬を目標にできたのに比べて、今年は断然の1番人気で逆にマークにあうという逆の立場であったのも影響した可能性もある。・・・が、本音は今回の舞台となった中山は前走は東京競馬場よりも直線が短かく、オマケに前の止まらない馬場だったという事の方が大きいか。スパッとしたキレのある馬ではないので、良くも悪くもトウカイトリックらしい敗戦だったともいえるだろう。ただ、タイムも上がりも昨年より悪く、全体的なパフォーマンスは落ちている。
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