第5回中山競馬7日目前日の芝の状態について
今年の中央競馬も今週で最後!でもすぐに金杯。
第4回開催は野芝主体の馬場で行われていたが、今開催から冬眠中の野芝の間に洋芝を生えさせるオーバーシードを施した馬場で行われる(オーバーシードは来年の第3回終了まで)。野芝の草丈は約6センチ~8センチ、洋芝は10センチ~14センチ。ステイヤーズSから有馬記念までの全8日間、内ラチから仮柵を設けないAコースを使用する。
~例年よりもパワーのいる馬場!?~
サクラバクシンオーなどが走っていたころまでの競馬場の芝コースは厳冬期が来ても野芝で開催。野芝は寒さに弱く10月頃から冬眠に入ってしまうため、寒い時期は芝が枯れて路盤を直に走っているようなものだった。現在、そんな芝コースが厳冬期でも青々しているのは、阪神競馬場を皮切りに導入された野芝の間に洋芝を生えさせる「オーバーシード」という手法を取り入れるようになってから。野芝よりもパワーが要るためタイムは出にくいものの、走れば路盤が掘り起こされるような冬眠している野芝の上を走るよりも、根が綿密に絡み合うクッション性に富んだ洋芝の上を走る事で馬の脚への負担はどれほど軽減されたかは想像に難くない。そんなパワーの要るオーバーシードの馬場でも芝の育成技術が上がった近年(特にここ数年)、芝の状態が良ければ野芝主体で行われる第4回とそん色ない程のタイムが出るようになっていたのだ。
しかし、そんな芝コースも今年は少し様子が違うよう。
実際、走破タイム自体はそれほど大きな違いはない。しかし「なんか違うな」というような感覚に陥るのは前半どんなにスローに流れても上がりが掛るため(新馬戦を除く)。33秒や34秒前半の切れる脚など今の中山には必要なし。求められるのは平均ペースを先行して35秒台前半で上がれる様な馬。血統でいえばメジロライアンやオペラハウスのような道悪で台頭してくるようなノーザンダンサー系や、10前ぐらいにこの時期にブイブイ言わせていたブライアンズタイムなどのロベルト系。そのような血統で東京や京都で切れ負けしたような馬は人気が無くても十分に注意したいところだ。
脚質に関して言えば、開催が進むにつれてペースによって有利な脚質が変化するフラットな馬場状態になっている事もありレース毎の出走メンバーに因るところが大きいが、安定しているのは勝負所から前を捕らえに行けるマクり。直線が短く最後に坂のある中山のコース形態でこれ以上の戦法はない。となると今年も有馬記念はマツリダ・・・。


逃げるメジロポッターの番手で競馬を進めたトーセンジョーダンが優勝。勝ちタイムの2分00秒5は、この時期の2歳戦としてはもちろん、例年2分2~3秒台が主流の葉牡丹賞と比較しても好タイム。メジロポッターが最下位に沈んでいる事を考えると、確かに逃げ・先行馬天国の馬場ではあったものの、単に馬場の恩恵だけで勝ったとは言えない。手綱を取ったペリエ騎手も高評価を与えているが、数字がその評価を裏付けている。例年の葉牡丹賞の勝ち馬はなかなか大成しないが、今年の勝ち馬であるトーセンジョーダンは何かやってくれそうだ。
2着だったセイクリッドパレーは6番人気という低評価を覆しての2着。タニノギムレット産駒は切れる脚を身上としている馬が多いため東京コースのような広々としたコースが得意だと言われるが、セイクリッドバレーはそのようなタイプではなく、ペースが速くなればなるほど持ち味を発揮するスマイルジャックのようなタイプか。今は中団待機策をとっているが、気性が荒い事もあり馬の気持ちを逆らわずに先行させる事ができれば、能力をフルに発揮できるだろう。このようなタイプは格下相手でも惜敗することがあるものの、大きいレースで格上相手でも侮れない。
Cコースになって差し・追い込み馬の台頭が目立った第4回中山競馬の開催後半。しかし開催終了後は野芝の間に洋芝の種を蒔いてオーバーシードを施し、その洋芝の種を蒔いた馬場全体にシートを被せて芝を育成(写真は東京競馬場で天皇賞・秋が行われた10月31日に中山競馬場へ行って撮影したもの)。この作業は毎年行われている事だが、これらにより今年も例年通り良好な馬場状態であると予想される。このためペースが速くてもなかなか前は止まらないだろう。直線で追い込み馬の末脚が目立っていたとしても、先に抜け出した先行馬が坂の上でもう一度伸びるので交わすまで至らない。昨年を見てみると、葉牡丹賞のミステリアスライトが後に中山マイスターの異名を取るマイネルチャールズを完封。また美浦特別のネヴァキングダムの逃げ切りなどが印象深いが、市川ステークスのテンイムホウやステイヤーズSのマキハタサイボーグなど、マクれる馬も侮る事はできない。
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