皐月賞(4)

それでは今年の馬場はどうなんだ、と・・・。

blog992月26日から始まった第2回中山開催。この第2回中山開催1日目から第3回2日目までAコースを使用し、第3回中山3日目から内側から3メートルのところに仮柵を設けたBコースを使用。皐月賞も昨年同様Bコースで行われる。連続開催だが開催中に雨があまり降らなかった事や、長い洋芝が根付いていた事によりそれほど状態は悪くなっていない様子。さて、それではタイムはどうだろう。昨年よりも洋芝が約2センチほど長く設定されていたためか、第2回開始の良好な馬場状態でもそれほど極端なタイムは出ていなかったのだが・・・。

blog100Bコースで行われた5日目10Rの安房特別で2分30秒9、11RのニュージーランドTで昨年のタイムを0.1秒上回る1分33秒4、6日目の10R勝浦特別で1分8秒2と昨年とほぼ同等。と、Bコースになってから早いタイムが出が目立つようになってきた。むしろ第2回開催よりも芝は良くっているような気がする。救いといえばBコースになって後ろで競馬をしている馬も届くようになってきているところ。確かに早いタイムだが、ペースが早ければ追い込みの馬も届くようになっているのを考えると、昨年よりは常識範囲内とでも言おうか。ただ、決して内側が伸びないわけではない。このため、スローになれば前に行った馬が有利である事は間違いない。

ということで・・・。

あの脚と皐月賞に強い捲りという戦法であるため、普通の馬場ならば勝つ確率はかなり高いと思われるが、このような馬場であるから、ディープインパクトには少々厳しい馬場かもしれない。ペース次第ではディープインパクト昨年と同様、差し損ねる可能性がないと言うわけでは無さそう。馬券の買い方としてはディープインパクトを本命にしつつも、届かなかった時のために前にいける馬の組み合わせも買っておくのがいいだろう。ただ、ディープインパクトはそれさえも凌駕するポテンシャルを秘めている。

どんな競馬になるのか非常に楽しみだ。

◎本命:ディープインパクト
○対抗:マイネルレコルト
▲単穴:コンゴウリキシオー
△連下:ビッグプラネット
△連下:トップガンジョー
△連下:ヴァーミリアン

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皐月賞(3)

ただ、そこで重要な問題が一つ残されている。

それは皐月賞の行われる中山競馬場の馬場状態である。中山の馬場は開催時期が1月・3月・4月・9月・12月という年5回開催であるが、芝コースを大幅に整備するのは中山開催が約4ヶ月間行われない4月~9月の間に行われるとの事。つまり、芝の暦で言えば9月に行われる第4回中山が年始で皐月賞が行われる第3回中山が年末と言う事になる。このため、皐月賞が行われる第3回中山の芝は1年のダメージを受けた最後の芝となる。その上、皐月賞が行われる第3回中山開催は第2回中山開催からの連続開催、皐月賞はその連続開催の最終日というわけで、もうヘロヘロなのだ。

このため馬場造園課の方々は、いかに良い芝を維持させるかに思案するのだが・・・。

その芝コースに異変が起きたのが2001年。アグネスタキオンやジャングルポケット、クロフネなどが3歳であった2001年の第2回、第3回開催は、週末になると雨が降るという開催と雨が重なる日が多く、弥生賞が不良馬場で行われたのをはじめ、オーシャンSはヤヤ重、山吹賞なども不良で行れた影響で馬場が極端に悪くなってしまった。例年は馬場造園課の方々の尽力もありそこまで悪い馬場にはならないものの、雨と開催が重なると馬が雨で柔らかくなった路面を走るたびに掘り起こしてしまう。このため、この年は馬場が悪化。たしかジャングルポケットは中山の馬場が悪いのを嫌って中山で行われる皐月賞トライアルには出走しなかった記憶があるが、このファンや関係者に不評だった2001年の馬場を境に中山の馬場はどんどん高速化していくことになる。

それが極端に現れたのが昨年の芝コースである。

blog98どのように極端な馬場だったかは当blogの「芝コースの状態について」を見ていただければ分かると思われるが、とにかく開催が進んでも一向に走破タイムが落ちず、前の馬が止まりにくい馬場で、開催6日目に行われた3歳500万下の1600メートル戦・山藤賞で1分33秒5、10レース4歳上1000万下の1200メートル戦・勝浦特別では1分8秒1、メインレース4歳上オープンの2000メートル戦・エイプリルSでは1分59秒1というタイムが出ていた。ペース云々もあるので簡単には比較はできないが、例年と比べると約0.5秒から1秒ほど速い。

そんな馬場で行われた皐月賞では、1000メートル59秒7と平均タイムで進んだにもかかわらずレースの上がりタイムが34秒4。4コーナーで最後方を進んだスズカマンボが34秒0の上がりを繰り出して17着でゴールするという、後ろで競馬していた馬たちにはイカントモしがたい状況で、レース終了後にはこの馬場が批判の対象となった。

このような馬場だとディープインパクトがいくら良い脚を持っていても封じられてしまう。

blog97ちなみに、武騎手は昨年の皐月賞で騎乗したディープインパクトの兄であるブラックタイドでも捲りを打とうとしている。道中は後方17番手を進み、3コーナー過ぎから徐々に順位を上げているが、高速馬場により前が止まらず勝負どころでは14番手まで。結局、捲りが決まらないどころか、最後の直線で先行馬が33秒台の脚を使うと言う内容で追い込みきれず16着の惨敗に終わったのだった。そもそもブラックタイドはきさらぎ賞までは前で競馬をしていた馬なので、皐月賞で控えてしまった武豊騎手の騎乗にも疑問はある(前に行くと末が甘くなるという理由もあり、勝ちに行った結果なのだろうけど)。しかし、直線で34秒2の脚を使った馬がここまで極端な惨敗したのは馬場状態も大きな比率を占めていた事は間違いないだろう。

ブラックタイドとディープインパクトとは競走能力は違うので同じ結果になるとは言えないが、皐月賞は捲りを打てる馬場状態なのか、今年は昨年のような特殊な高速馬場ではないのかのような「馬場の見極め」が大事であると言えるだろう。

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皐月賞(2)

それでは皐月賞の行われる中山の芝2000メートルはどんなコースなのだろうか。

blog91皐月賞の行われる中山芝2000メートルのスタート地点は4コーナーを曲がり終わった直後の直線から。ここをスタートした後、スタンドからの大歓声を受けながらホームストレッチを通り抜け、1コーナーへ突入。その後、内回りをグルリと一周し、勝負どころの4コーナーを過ぎて最後の直線、そしてゴールとなる。ちなみに、この最後の直線は約310メートルと短い上に、2.3メートルの急坂が潜んでいる。中山の内回りコースは1700メートル弱でローカルよりも少々大きいぐらいの大きさであるため、各コーナーの角度は厳しい。また、コース幅は内側にラチをつけないAコースで最大32メートルとコース幅が狭いので馬がバラけず殺到するため、肝心なところで前が詰まったり、馬同士がぶつかり合ったりするなど紛れが多くなる。この影響で、コーナーで後手を踏むような不器用な馬や、ヨレたりササったりするような真っ直ぐ走れない馬、ズブイ馬、揉まれ弱い馬などには非常に厳しいコースといえるだろう。

皐月賞はそんなコースで行われるのである。

前哨戦となった弥生賞も同じコースで行われたが、如何せん、出走頭数が10頭という小頭数であった。フルゲートになると思われる本番に備えたレースシチュエーションだったかと言うと不安が残る。ディープインパクトは同じ距離・コースで行われた弥生賞で快勝はしたが、弥生賞を勝って、または2着になって皐月賞で敗れた諸先輩方は多い。

blog95そんなコースで行われる皐月賞であるから、出来るだけ不利を受けない前で競馬をした方が良いのはもちろんで、過去10年の皐月賞を見てみると、ビワハヤヒデやジェニュイン、キングヘイロー、サニーブライアン、セイウンスカイ、アグネスタキオン、タイガーカフェ、ダイワメジャーなど、先行した馬が多数連に絡んでいる。2回連続開催の最終日だと言うこを考えるとセイウンスカイの時まであったグリーンベルトや近年の特殊な馬場を差し引いても多い。はっきり言ってしまえば皐月賞において人気の先行馬は殆ど崩れた事がないのである。過去10年で1995年の1番人気ダイタクテイオーと1996年の2番人気サクラスピードオーぐらいかだろう。

ああ、多頭数でゴチャつきやすいコースに先行馬が強いレース傾向・・・。これらを考えるとディープインパクトの脚質や経験では皐月賞で厳しい?のだろうか。

と、ここまで皐月賞の行われるコースや先行馬が強い事などを書いてきたが「後ろから競馬をする馬は不利なのだろうか?」と言うとそうでもない。テイエムオペラオーやエアシャカール、ネオユニヴァースなど、後方で競馬をしてもしっかりと勝っている馬がいるように、後ろで競馬をするのは決して不利というわけではないのだ。

ただ、皐月賞は荒れる事がある。

blog96比較的堅い決着になる皐月賞で「荒れた」と言えばサニーブライアンが勝った1997年の皐月賞やノーリーズンが勝った2002年の皐月賞だが、その影にはメジロブライトやタニノギムレットなどの「負けた人気馬」がいる。この2頭はどちらも追い込み馬。つまり皐月賞が荒れる時は人気の追い込み馬が追い込みきれなかった時である。皐月賞ではテイエムオペラオーやエアシャカール、ネオユニヴァースなど後方で競馬をしても勝つ馬がいる一方、メジロブライトやタニノギムレットなど後方で競馬をしても人気を背負って連に絡めなかった馬がいる(写真はスプリングS出走時のネオユニヴァース)。彼らにはどのような違いがあったのだろう。ここにディープインパクトが勝てる・勝てないのヒントが眠っているような気がするが・・・。

その違いは「単に直線だけで追い込むか、徐々に捲るか」にあると思われる。

当たり前だが、追い込み馬は後ろから競馬をする。となると、勝負どころで外に出すか・内を突くかという選択肢があるわけだが、馬が殺到している内を突くの進路が空かない可能性が高い。となると、不利を被って負けるよりも、距離損をしてもいいから実力を出し切れる外を突く。が、ここで中山の小回りで直線の短さが効いてくる。小回りであるがために勝負どころで普通に外を回って追い出したのではスピードが殺されてしまう。

多頭数が出走するレースでスタートした後の直線が長いコースは、位置取りを決めるためにペースが速くなりやすい。しかし、皐月賞に限定してみると、スタート直後に急坂を登らなくてはいけない事や若駒と言う事もあるのか、ペースは1000メートル通過が59秒~60秒の前後で、思ったほど速くはならないようだ。このようなペースだとスピードを殺されるのを嫌って直線に入ってから追い出したのでは前をつかまえられない。

このため、皐月賞での追い込み馬は4コーナーのカーブ手前で加速しながら斜めに進路を取り、直線に入る時にスピードを殺さないような〝マクリ〟を打つ必要があるのだ。皐月賞を勝ったテイエムオペラオーは後方14番手で競馬をしていたが、徐々に仕掛け4コーナーで8番手につけていた。それに比べて3着に負けてしまったタニノギムレットは後方13番手で勝負どころでも14番手。これでは届かないのも無理はない。皐月賞は単に追い込むのでなく、捲くれる脚を持つ馬でないと勝ち負けできないのである。

後方で競馬をする馬が捲らないと勝てない事は武豊騎手が皐月賞で騎乗したエアシャカール、スペシャルウィーク、サイレントディール、アドマイヤベガなどの殆どの馬で捲くりを打つ競馬をしている事でも分かるだろう。確かにディープインパクトは今まで3戦が全て10頭以下と小頭数でのレースしか経験していない。けれど、彼は長く良い脚の使えて捲りが打てるため、皐月賞でも勝ち負けできるのではないか?と私は考える。

ただ、そこで重要な問題が一つ残されている(つづく)。

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皐月賞(1)

皐月賞が迫ってきた。

今年は何と言っても「ディープインパクト」であろう。はたして彼は強いのか。

父はこれまでに数々のG1馬を出し、日本競馬界の記録を塗り替えてきたサンデーサイレンス。母はドイツのアラルポカルを優勝し、イギリスオークス2着になったウインドインハーヘア。半姉は6戦5勝のレディブロンド。そして全兄はスプリングSを優勝して皐月賞で1番人気に支持されたブラックタイド。そんな家族構成であるためディープインパクトもデビュー前から「良血」として注目されていたが、走らせて見ればそれは期待以上。blog92
新馬戦では後に3連勝できさらぎ賞を勝つコンゴウリキシオー以下を4馬身ちぎり、2戦目の若駒Sでは持ったままでケイアイヘネシー以下を5馬身ちぎり、その場にいたファンの度肝を抜いた。ちなみにコンゴウリキシオーは3着のテイエムカイブツに3馬身差をつけ、ケイアイヘネシーは3着のインプレッションに2馬身差をつけている。この時点で既に「物凄い馬だ」という評判は関西のみならず関東、全国にも知れ渡る事となる。

そして3戦目の弥生賞。

blog94皐月賞と同じ距離・コースで行われる前哨戦として毎年注目されるこのレースだが、今年の場合は何より「西の怪物の初東上」と言う事で中山競馬場にはディープインパクトを一目見ようと多くの競馬ファンが来場し、G1でもあるのではないかと思わせるほどの混雑となった。単勝支持率は弥生賞史上最高の71.5%である。が、そんなレースでもディープインパクトは涼しい顔で結果を出してみせる。ダイワキングコンが1000メートル62秒2のマイペースで逃げ、そのペースに朝日杯であれほどのパフォーマンスを見せた2歳王者のマイネルレコルトが惑わされる中、ディープインパクトはジックリ構えて後方を追走すると3コーナー過ぎから徐々に捲くりはじめ、最後の直線では先手を奪ったアドマイヤジャパンをクビ差競り落として優勝した。

3戦3勝の土付かずである。みなさんご周知の通り彼は強いのだ。

この弥生賞については人それぞれあると思う。皐月賞の試金石である弥生賞で着差が過去の2戦ほどつかなかったため「それほどのインパクトを受けなかった」という方もいらっしゃられると思われるが、スローの前残り、しかもまだ内側の馬場状態の良い開催4日目だ。それにもかかわらず残り600メートルを過ぎたところからスパートし、先行押切を謀るアドマイヤジャパンを差し切った内容は価値が高い。サラブレッドが全力疾走できるのはせいぜい400メートル前後との事である。馬によっては良い脚が少ししか持続しないものもいて、その使いどころに騎手が思案する事が度々あるが、ディープインパクトの場合は良い脚を最大限に使えるという事がこの弥生賞で分かったのだ。blog93
その上、ゴール直前で手前を替えると、第2にロケットを噴射したように更に伸びている。600メートルを過ぎてからあれだけロングスパートをしたのにもかかわらず手前を替えると更に伸びるのは常識外。「まだ何か隠し持っているのか?」と思わせるほど。いわゆる着差以上の内容で、勝負どころから最後の直線、アドマイヤジャパンを交わして勝利するまで非常に見所が多かった。それってつおいの?めちゃんこつおいのだ。

そんな強いディープインパクトは皐月賞を勝てるのだろうか。

問題は競馬は強い馬が必ずしも優勝するとは限らないと言う事である。断然の1番人気を背負ったナリタブライアンがスターマンに負けてみたり、日経賞でマンハッタンカフェが惨敗してみたりと、競走能力が必ずしも勝利に結びつくとは限らないのだ。その要因として馬の状態はもちろん、跨る騎手であったり、馬場であったり、コースであったり、天気であったり、展開であったりと周りの影響が多分に関係し、その傾向は特に小回りで紛れの多い競馬場で強くなる。それは皐月賞の行われる中山競馬場もしかり。

それでは皐月賞の舞台となる中山芝2000メートルとはどんなコースなのか(つづく)。

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アラバスタ、がっくり5着降着

9月11日(土)に行われた紫苑ステークス。

第4回中山競馬の開催1日目に行われるこのレースは秋華賞のトライアルレースに指定されており、2着までに入選すれば優先出走権を得る事ができる。関東で行われる秋華賞トライアルはこのレースだけであるため、賞金面で不安のある馬は秋華賞の出走を確実するために、なんとか上位2着までに入っておきたいところである。

そんな今年の紫苑ステークスで1番人気に支持されたのはヤマニンアラバスタだった。

blog40.jpgフラワーカップから体重が減り始め、ギリギリのレースが続いていた春。しかし、それにもかかわらず、オークスでは自慢の末脚を披露して3着になる実力の持ち主。そのうえ中山は得意なコースで、フラワーカップでは良血ダンスインザムードの2着に入っているし、ホープフルSではエアシェイディを相手に一歩も引けを取らないレースを繰り広げた、非常に相性の良い舞台。1番人気になるのも頷ける。

心配と言えば、「減っていた体重がどのくらい回復しているか」であったが、その体重も夏の休養でプラス12キロとある程度もどり、パドックでも落ち着いて周回している。最終的に単勝2.4倍。相手関係からしてもここでは絶対に負けられない。

さて、レース。

スタートするとアラバスタは他の馬の出方を伺いながらいつも通り後方待機策。しかし、コーナーごとに徐々に着順を上げる積極的な競馬を披露すると、勝負どころの4コーナーでは既に8番手に。抜群の手ごたえと共に直線に向き、すぐさまインを突いて物凄い末脚を爆発させる。坂を上りきったところで先行するインゴットや逃げるフェミニンガールをかわして見事に優勝!したと思ったら・・・。なんだか審議のアナウンス。

実は最後の直線でこんな事が・・・。

blog36.jpg
(ちょっと通りますよ。)

blog37.jpg
(ギュウギュウ、えいっ!)                    

blog38.jpg
(や、やっちゃった。けど、とりあえず走りますよ。)

なんと、勝ったアラバスタが最後の直線において木幡騎手の騎乗するヒカルウェイブの走行を妨害している事実が判明。そして審議へ。5分、いや、10分はあっただろうか。長い審議の結果、アナウンス共に5着降着。検量室前をグルグルしながら表彰式を待っていたアラバスタは、一転して、5着降着という厳しい現実を突きつけられ、確定を待っていたお客さんのどよめきの影でひっそりと地下馬道へ消えていったのだった。

blog39.jpg一番上の写真を見ると外に出す前に江田騎手は後ろを確認している。それにもかかわらず強引に外に出した事を考えると、やはりこのレースはアラバスタにとって勝たなければいけないレースだったのだろう。この降着は非常に残念だが、ヒカルウェイブだってスピードに乗りかけていただけにそれは同じ。今は額に光る「忍」の星のように耐え忍んで、本番の秋華賞でこの借りを返してもらいたい。

頑張れヤマニンアラバスタ!

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いざ3連単!

2004年8月14日(土)から札幌競馬場やウインズ札幌、ウインズ米子で先行発売が行われていた馬番号3連勝単式馬券(3連単)。この3連単が9月11日(土)から全国発売開始となります。ということで、3連単とは一体どんな馬券かちょっと見てみましょう。


■・・・3連単ってどうなれば当たり?

3連単とは、1着、2着、3着に入る馬の馬番号を着順どおりに当てる馬券です。既に発売されている3連複の場合、自分の選んだ馬3頭が1着~3着までに入選すれば的中となりましたが、3連単は1着にはどの馬が入る、2着にはどの馬が入る、3着にはどの馬が入る、と、着順まで当てなくてはいけない馬券です。

例えば2004年日本ダービーの場合、

1着・12番キングカメハメハ
2着・5番ハーツクライ
3着・17番ハイアーゲーム

という結果でした。

既に販売されている3連複の場合、マークシートに5番・12番・17番とマークして馬券を購入すれば的中です。しかし、今回導入される3連単は、この選んだ馬たちの着順も当てないと的中となれリません。たとえ購入する馬を5番・12番・17番と選んだとしても、

「1着・12番キングカメハメハ、2着・17番ハイアーゲーム、3着・5番ハーツクライ」
「1着・5番ハーツクライ、2着・12番キングカメハメハ、3着・17番ハイアーゲーム」
「1着・5番ハーツクライ、2着・17番ハイアーゲーム、3着・12番キングカメハメハ」
「1着・17番ハイアーゲーム、2着・5番ハーツクライ、3着・12番キングカメハメハ」
「1着・17番ハイアーゲーム、2着・12番キングカメハメハ、3番・5番ハーツクライ」

などと購入してしまえば的中とはなりません。的中するのは「1着・12番キングカメハメハ、2着5番ハーツクライ、3着・17番ハイアーゲーム」だけなのです。


■・・・当たるの?

非常に当たりにくい馬券です。単純な計算で言うと、18頭立ての場合、3連単は4896分の1となります。これに比べて3連複は816分の1、馬連が153分の1。3連単の難しさが分かりますね。このように、的中させるには非常に難しい馬券ですが、その分、的中した時の配当が大きいのも3連単の特徴。ハイリスクハイリターン馬券です。


■・・・発売対象レース?

3連単は全レース発売するわけではありません。3連単が発売される対象レースは、最終レースから数えて4レースとなっています。最終レースが12レースならば、最終12レースから数えて4レースですので、12レース、11レース、10レース、9レースの販売、最終レースが10レースならば10レース、9レース、8レース、7レースの発売です。


■・・・発売対象頭数って?

3連単の販売対象頭数については、3連複と同じく4頭以上のレースで販売されます。しかし、上限として競馬施行規則により17頭以上の3連単の販売について規制がありました。このためフルゲートのレースでの発売は行われない予定だったのですが、9月8日に農林水産大臣の承認を得た事により、17頭以上での販売も可能となりました。このため、17頭以上出走するレースでも発売が行われます。

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ダービーに向けて(3)

血統から距離延長は問題ないと思われるコスモサンビーム。

しかし、戦績を見ればマイル戦の方が良いし、近親にも短距離馬が多いらしい。このため、距離が短い方が良いと思われやすい。が、本当にマイル前後が適正距離なのだろうか。伸び切れなかった皐月賞を見て距離の不安を説いている雑誌もある。が、皐月賞のレース内容だけで距離延長=不安材料としてしまってよいのだろうか。


~距離延長は本当に不安要素なのか~
例年になく良好な馬場状態で行われていた皐月賞。レースの内容はこのブログの「ダービーへ向けて」を見ていただくとして、コスモサンビームはそんな皐月賞を道中5番手で追走し、直線でメテオバーストをかわして4着という着順だった。

確かに直線に入ってから伸びなかった。・・・ように見えたが、実際、このレースで伸びた馬の方が少ない。コスモサンビームが使った上がりタイムは34秒1。ダイワメジャーとコスモバルク以外の馬もこれとほぼ同じような上がりなのだから、コスモサンビームが皐月賞において距離延長で伸びなかったと言えないわけではないものの、そうと言い切れるわけでもない。この結果だけで決め付けるのは早計なのではないだろうか。


~それでは他に何が影響?~
得てしてステイヤー型の馬がスプリント戦で活躍できる今のご時世。特にスローの瞬発力勝負が多い日本の競馬では、スタミナ血統が見出した活路が短距離戦なのであるが、コスモサンビームも走る場所をなくしたステイヤーと同じく、距離適正がどうこうというよりも、ペースの「速い・遅い」が成績に関係している可能性があると考える。

次走のNHKマイルカップでキングカメハメハの2着に入った事によって、「やはりコスモサンビームにはマイルの方があっている」というイメージを増長してしまった。しかし、NHKマイルカップで2着に入ったのは距離がマイルになったからではなく、ペースが皐月賞よりも速くなった事が影響したとも考えられるわけである。

例えそうでなくても、現時点ではまだ2400メートルという距離を走った事が無いのは事実。となると、走る前に「距離延長は不安」と消してしまうのはもったいない。馬体を見ても短距離のイメージは薄いとの事。ペースを含めて適正距離と言われれば仕方が無いものの、血統的に克服可能なのであるならば展開一つ好走する可能性は十分ある。
blog34.jpg


~コスモサンビームがダービーで好走するためには~
ここまでコスモサンビームの距離適正について「距離延長=不安」で良いのかどうか書いてきたのだが、実際のところ、キングカメハメハとは1600メートルにおいて5馬身差を付けられたところを見ると、ほぼ勝負付けが済んでしまったのは事実。

また、皐月賞よりもさらに距離が長くなるダービー。メイショウボーラーも回避したことからスローになる事はほぼ間違いない。切れる脚を使うより、どれだけ踏ん張れるかが身上であるだけに、今までのように前の馬がバテたところで差し込んでくるような、他力本願的なレースでは勝ち目はない。NHKマイルカップで付けられた差を埋めるには距離延長を逆手に取った戦法が必要だろう。ペースを速くするために一か八かで逃げてみるなど、ダービーでは思い切った戦法で少しでも自分の型に持ち込みたいところだ。


~まぁ、前で競馬をしてくれなければどうしようもないのですが~
そもそも陣営が「逃げ」という積極策を打ってくれないとどうにもならない感はあるが、逃げてくれればこれほど面白い馬はいない。天皇賞・春ではイングランディーレが、オークスではダイワエルシエーロという例があっただけに、また、同じ厩舎にはジャパンカップや有馬記念であっと言わせたタップダンスシチーという先輩がいる。

ベストは1600メートルという前置きをしながらも、「体を削った事によって直線で我慢できる」という佐々木調教師のコメントを深読みすれば、前で競馬をしないとも言い切れない。「穴馬として3着ぐらいはあるかな」などとと思っておいても損は無いのではないか。

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ダービーに向けて(2)

~NHKマイルカップ~
レースは、掛かるタイキバカラを見ながら各馬が追走する形。何時もは逃げるメイショウボーラーも、この時ばかりは逃げずに3番手での競馬に徹し、コスモサンビーム、キングカメハメハはこれらの先行馬を見ながら中団での競馬となった。直線に入り先行していた馬たちの脚が鈍りはじめると、後ろから来た馬が徐々にかわしに掛かる。そんな中、キングカメハメハは馬場の外目を通って素晴らしい手ごたえで抜けだし優勝した。


~本当に強かったの?~
キングカメハメハが1分32秒5というレコードタイムで優勝した今年のNHKマイルカップ。例年のNHKマイルカップの走破タイムは、大体1分33秒0~5程で、同じ日に行われる古馬1000万下の金峰山特別(今年はカブラヤオーメモリアル)と比べて約0.2~0.4秒速い程度であるが、今年の古馬1000万下カブラヤオーメモリアルの走破タイムは1分33秒5。キングカメハメハは1000万下のレースを1秒も上回っている。

2着だったコスモサンビームが1分33秒3で走っているのを見ると、例年ならばこのタイムで優勝できた事になるだろう。しかし、キングカメハメハはそのコスモサンビームを直線だけで5馬身離した上に、最後は手綱を緩めて1分32秒5のタイムで快勝してみせた。見た目も派手だったが、その強さは内容的にも際立っていたと言えるだろう。


~馬場状態が良かったんじゃ?~
確かに、今年の東京競馬場は好タイム連発で、当日7レースでも500万下戦で1分33秒2というタイムが出ているように良好な馬場で行われていた。このため、例年のタイムと比較して単純に強い弱いを判断するのは難しいかもしれない。

しかし、キングカメハメハが2着を5馬身ちぎった事は事実。それがマイルでの実績のあった2歳チャンピオンのコスモサンビームなのだからケチは付けられないはずである。また3着が皐月賞3着馬のメイショウボーラーであった事を考えても、馬場状態が良かった事でNHKマイルカップの評価を下げる理由にはならないと考える。そもそもレース1時間前からジャカジャカ雨が降っており、パンパンの良馬場で行われたレースで無いだけに、馬場状態が良好だったからと簡単には片付けられない。


~ダービーでは~
さて、ダービー。今のところNHKマイル組みからはキングカメハメハ、メイショウボーラー、コスモサンビーム、ナイストップボーイらが登録しているが、出走しそうなのは(できそうなのは)キングカメハメハとコスモサンビームの2頭となっている。

この2頭の不安点は800メートルの距離延長と、中2週というローテーションであろう。

確かに、今まで出走してきた馬たちが距離の延長で負けたのか、それとも中2週という過酷なローテーションのために目に見えぬ疲れで負けたのかははっきりしない。

ただ、NHKマイルからダービーに出走したのは過去7年で15頭いる中で、ダービーにおいて着順をあげたのはロサード(9着→6着)、タニノギムレット(3着→1着)、キタサンチャンネル(17着→16着)の3頭。他の馬はその後、マイル戦中心で活躍している事を考えると、ダービーはいくらペースが遅くなったとしてもマイラーに厳しいレースであると考えられる。つまりローテーションよりも距離適正が重要なのではないだろうか。

強い馬が今までにこのようなローテーションで出走してくる事が少なかったため、データとして判断するには無理があるかもしれないが、この2頭の距離適正を把握する事が取捨の判断材料になると思われる。と言う事で、2頭の距離適正について考えてみたい。


~コスモサンビーム~
コスモサンビームの血統は、父ザグレブと母ロビースレインボウ(母父レインボークエスト)という配合。父ザグレブはアイルランドダービー圧勝したスタミナ血統で、日本ではヒシアマゾンの父として知られるシアトリカルの子供。シアトリカルが持つ「日本向きのスピード」を買われて輸入されたのだと思うのだが、思ったような成績を残せずに、既にアイルランドに再輸出されてしまった。

コスモサンビームの母父レインボークエストは、日本ではサクラローレルやアドマイヤカイザーの父として知られているが、自身は凱旋門賞優勝馬で、産駒にはイギリスダービー馬であるクエストフォーフェイムや、凱旋門賞を制覇したソーマレスなどを輩出している重厚血統。特にこの血統は大レースに強い事で有名。

~キングカメハメハ~
キングカメハメハの血統は、父キングマンボと、母マンフィス(母父ラストタイクーン)という血統。父のキングマンボは、マイル~2000メートル中心にG1を10勝した名牝ミエスクと大種牡馬ミスタプロスペクターの子供で、自身も現役時代にフランスの2000ギニーやムーランドロンシャン賞など、マイルのG1を3勝するなど名マイラーであった。

キングカメハメハの母の父であるラストタイクーンは、日本での産駒にオースミタイクーンのようにマイル戦~中距離に強い馬が多いが、海外での産駒ではタイクーンリルやマホガニーなどが2400メートルのG1を優勝している。またラストタイクーンの母父は欧州三大レースを勝利したミルリーフであるように、本質はスタミナ血統と言えるだろう。

キングマンボの産駒は、父と同じようにマイルから~2200メートルで活躍する馬が多いのだが、同じ父のエルコンドルパサーやアメリカンボスを見るに、母系でスタミナが補充されれば距離は伸びても問題ないと思われる。


2頭の血統を考えると2400メートルはどちらもこなせると思われる。このためダービーでは「どちらも買える」と思われるのだが、どちらかというとコスモサンビームの方が距離不安で一気に評価を落としそうな気がするのは気のせいだろうか。

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ダービーに向けて

競馬の祭典である日本ダービーが迫ってきた。

ブラックタイドの故障は残念だが、皐月賞組み、NHKマイルカップ組み、青葉賞組み、京都新聞杯組み、プリンシパルS組みの上位馬が順調に駒を進めた事とにより、例年になくメンバー層が厚くなった。ここでは、ダービーまでに行われた各レースを、作者の独断と偏見と思い込みとテキトーな文で簡単にまとめて見たいと思う。まずは皐月賞。


~皐月賞~
逃げる!と宣言していたマイネルマクロスが立ち遅れ、メイショウボーラーが単騎でレースを引っ張る形。他にせりかける馬もおらず、レースは淡々とした流れになった。これを2番手で追走していたダイワメジャーは、勝負どころで早々にメイショウボーラーに並びかけると、直線に入りあっというまに抜け出す。それを各馬が一斉に追う。が、差は一向に詰まらない。1番人気に支持されたコスモバルクも勝負どころで外目から前を捉えに行くと、坂の途中で物凄い脚を繰り出すものの、ダイワメジャーを追い詰めるまで。結局、ダイワメジャーがそのまま粘りきって優勝。2着にはコスモバルクが入った。


~速かったタイム~
終わってみれば走破タイム1分58秒6という好タイムで終わった皐月賞。1000メートルの通過が59秒7という、普通ならば平均ペースだったにもかかわらず、走破タイムはレコードタイムに0.1秒と迫る優秀なタイムだった。また、上がり3Fのタイムも34秒1というものだったのだが、これらのタイムはどれほどまで評価できるものなのであろうか。

同じ開催の6日目に行われた山藤賞と、8日目に行われたベンジャミンSの2つのレースを例年のものと比較してみると、山藤賞の過去4年の平均は1分35秒1。それが今年は1分33秒5。また、ベンジャミンSのタイムの過去7年の平均は約1分49秒2。それが今年は1分47秒3と、どちらも約1~2秒ほど速いタイムで決着している。つまり、今年の中山競馬は例年になく時計の出る馬場で行われており、皐月賞もその馬場で行われていたという事になる。また、上がり3Fのタイムに関しては、皐月賞の各馬の上がりを見てみると、今年の場合は殆どの馬が34秒前半の脚を使っていた。それでも後方にいた馬は殆ど着順がかわらず雪崩れ込むようにしてゴールしている。

これらを考えると、皐月賞は「タイムは速かったが、それは時計上の事で、実際はスローペースだった」という事が分かる。このため、レース後に「流れが向かなかった」といったジョッキーの言葉どおり、皐月賞は前の馬に向いた展開になった事は確かであろう。

blog32.jpgしかし、皐月賞は展開に助けられただけで勝てるほど甘いレースではない。確かに馬場は良かった。ペースもスローだった。それでも中山競馬場で上がり3Fを33秒代の脚を使ったのはダイワメジャーとコスモバルクのみ。特にダイワメジャーの追い出してからあっという間に抜け出す脚は素晴らしく、ここで見せた瞬発力はまさに他の追随を許さないものであった。また、そんなダイワメジャーを最後まで追い詰めたコスモバルクは、唯一ダイワメジャーの上がりを上回った馬。ダイワメジャーをかわせなかったのは、大外枠に入ってしまったために何時もより後ろの位置で競馬をせざる得なかった事、終始外目を走らされた事が影響している。「負けて強し」の内容であったものの、大外枠の影響は思いのほか大きかったと言えるだろう。

皐月賞でレコードに迫るタイムが出たのは「馬場の影響」が大きかったかもしれない。また、確かにレースはスローだったかもしれない。が、上記の事を考えると「脚を余した」という言葉が当てはまるのはコスモバルクだけで、後ろにいた馬は脚を余したというよりも、「脚を使えなかった」と言った方が正しい。このため、ペースが遅かったからと言って、ダイワメジャーの皐月賞勝利の価値は、決して揺らぐものではないだろう。


~ダービーでは~
さて、400メートルの距離延長、直線の長い東京へのコース変更となる本題のダービーである。血統背景から、コスモバルクよりもダイワメジャーに距離の不安があるのだが、ダイワはそれ以上に不安なのが気性の悪さ。皐月賞はパシファイヤーによって落ち着いていたものの、前々走のスプリングSではパドックの時点でとんでもなく暴れていた。ダービー当日、パドックで暴れているようならば評価を下げたいところだ。

コスモバルクについてはパドックで少々落ち着きが無いのは何時もの事。余程暴れていなければ問題ないだろう。ただ、こちらはレースで折り合いがつくかが問題となる。レースを走るたびに改善はされているが、やはりスローだと折り合いを付けにくい様子。落ち着きを失っては距離の「持つ・持たない」以前の問題になってしまう。これをクリアーできればどちらも距離を克服できそうなだけに、当日の気配を注意して見てみたい。


~ダービーでは~
皐月賞で負けてしまった馬について、作者の印象を簡単にまとめてみようと思う。

マイネルマクロス
皐月賞では逃げる事でハイペースを演出すると思われていたが、蓋を開けてみればスタートで立ち遅れ、何故か微妙に追い込み7着というチグハグな競馬だった。もともとスタートは遅い馬。今まではそれを挽回しても好勝負できたがG1になると流石に厳しい。また、今回は距離も長いか。メイショウボーラーの回避によって出走できる模様。

マイネルブルック
皐月賞は8着であったが、もともと、きさらぎ賞~皐月賞というローテーションでダービーを目標とした馬。今回は2400メートルの東京コース。スターオブコジーンの産駒の適正距離は2000メートルぐらいも、母の血がそれをどこまで補っているかが問題となる。久々のレースとなった皐月賞でも終いは伸びていたように末脚はしっかりしている。

フォーカルポイント
皐月賞は、後方で競馬をした馬の中で一番末脚が光ったものの9着まで。中山の2000メートルを好時計で勝ているが、今までの成績から見ても東京コースとの相性がよく、東京の方が破壊力を増すだろう。ただし、本番は末の切れるライバル馬が沢山出走する。また、血統から適正距離は2000メートルあたりか。

マイネルデュプレ
皐月賞は12着だったが、共同通信杯~皐月賞というローテーションで、ダービーを目標としていた馬。追い込みという脚質なだけに不安定な成績だが、破壊力のある末足を持っているので、中山よりも直線の長い東京に替わるのは良いだろう。33秒台の脚を使うことがあるものの、ペースは遅いよりも速いほうが競馬がしやすいのではないだろうか。

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見えない壁。

皐月賞が迫ってきた。

先日行われた桜花賞は、質の高い馬がこぞって出走してきたため近年稀に見る豪華なレースとなったが、皐月賞の方も有力馬が怪我もなく出走できる事や、地方馬コスモバルクの出走など話題に事欠かず、魅力的なレースとなりそうだ。人気の中心はやはり前哨戦の弥生賞を制覇しているコスモバルクと、スプリングSを制覇したブラックタイドだろう。が、そんな馬達の影で人気を落としそうなのがメイショウボーラーである。

blog23.jpgデビューしてから4連勝を達成すると、2歳チャンピンを決定する朝日杯では1番人気にまで支持されたメイショウボーラー。結果は2着だったが、超のつくハイペースを自ら演出して最後まで逃げ粘るという内容で、実力は同世代の中でもトップクラスである事を証明した。では、何故そんな馬が皐月賞で人気を落としそうなのか。それは皆さんご周知のとおり、皐月賞が2000メートルで行われるからである。メイショウボーラーは天性のスピードからスタートすると抑えきれない勢いで走ってしまう。逃げるつもりはなくとも逃げる形になってしまうのだ。朝日杯も「ハイペースを演出して最後まで逃げ粘った」と言えば聞こえはいいが、実際はその持て余したスピードを鞍上のペリエ騎手が抑えきれなかった面が強い。短い距離ならそれでも押し切れるが、マイル以上になると戦法に融通性がなく、標的にされやすいので流石に厳しい。

メイショウボーラーにとって400メートルの距離延長は、まさに見えない壁となって立ちはだかっているのである(壁、壁って、先週から壁ばっかりですな。スミマセン)。

blog22.jpgそんなメイショウボーラーが皐月賞のトライアルとして選んだのは弥生賞だった。2000メートルが初めてだった事はもちろん、本番と同じ距離・コースという事もあり、皐月賞に向けてまさに試金石となるレースである。その弥生賞では、スタートすると戦法はいつも通り逃げたものの、超ハイペースを演出した朝日杯とは打って変わって1000メートル通過を60秒9というマイペースに持ち込む。3コーナー過ぎで一気にペースはあがるが、直線に入ってもその脚は衰えず、逆に後続を突き放した。直線に入ってからマッチレースを繰り広げていたコスモバルクに残り100メートルの地点でかわされたものの、そのほかの後続を振り切って2着を確保した。厩舎サイドとしても未知の距離や心配された折り合いなど手探り状態での出走だったが、レース後に鞍上の福永騎手が「力は互角」と話したように、本番に向けて走りの幅を広げたと言う意味ではトライアルとして成果のあったレースだったと言えるだろう。

が、距離の目処が立ったにもかかわらず周囲の評価は懐疑的なものが多い。

blog24.jpgその一番の理由として考えられるのは、弥生賞はマイペースで逃げれたのにもかかわらず、最後の100メートルで脚色が鈍くなり、コスモバルクに差されてしまった点だろう。弥生賞は10頭という小頭数だったが、本番では18頭出走のフルゲートになるだろうし、更にマイネルマクロスという同型馬が出走してくる。厩舎は違うがこの馬がコスモバルクやコスモサンビームのラビット的な役割を果たすだろうと予想されるため、メイショウボーラーが弥生賞のように逃げたとしても鈴を付けに来るに違いない。こうなると弥生賞よりもペースが速くなる事は必死で、本番ではとても逃げ残れたものではないという事になる。また、弥生賞で目処が立ったと思われた2000メートルという距離に関しても、まだ1度しか走った事がなく、その内容も「完全に距離不安を払拭した」というものではなかったのも大きい理由だろう。

それではメイショウボーラーにプラスな面はないのだろうか。

blog25.jpg今年の弥生賞のタイム2分0秒5というのは、過去10年の弥生賞タイムと比較してみてもウイニングチケットが勝った1993年の2分0秒1についで2番目に早いタイムである。例年に比べ中山の馬場が良好だった事を考えると簡単には比較できないところだが、「弥生賞はスローペースだったから逃げねばれたのだ」と簡単に片付けてしまうのはいかがなものだろうか。それから、普通の逃げ馬は早めに並ばれると脆い面を見せる馬が多いのだが、ボーラーは弥生賞で4コーナーで早めにコスモバルクに並びかけられても坂の上までは一歩も譲らなかった。気性的に臆病だから逃げている馬とはワケが違うだろう。また、本番で鈴を付けに来るだろうマイネルマクロスについても、メイショウボーラーとやりあってあまり速いペースにしてしまうと、コスモバルクに不利になるのはもちろん、ブラックタイドやフォーカルポイントに有利な流れにしてしまう。それを考えると、それほど無理にセリかけない可能性もあるのではないか。

プラスであろう点を無理矢理探した感はあるが(汗)、と言うか、プラスなのかどうだか分からないが、ボーラーの実力は間違いなくトップクラス。福永騎手も「弥生賞は少し大事に乗りすぎた」という話もしているとの事なので、本番では大逃げを打つ可能性もありえない話ではない。距離に関して不安が多いのは否定しようのない事実も、逆にまだまだ未知数な部分が多いことを考えると、距離の延長だけで消すのはもったいない。

メイショウボーラーは皐月賞で見えない壁を乗り越える事ができるのであろうか。

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